革命前夜 追記その 1

IMGP9406おかげ様でかなりの反響がありましたが「印税貰う側になってみたいものだ…。」とか「私には関係無いけど…。」とおっしゃる意見、メッセージもちらほら。

先ず述べて於かなくては成らないのは、この音楽著作権使用料の問題は我々作家等分配金を受け取る立場の者と管理会社との話しだけでは無いと言う事です。プロスポーツ等でよく有る所謂労使闘争のような類いでは無いのです。

私(その他アーティスト達)が「貰って無いぞ!」と自身を例に取っているのはあくまで払う側であり貰う側でもあるので出入り口がはっきりしているからです。音楽を聴く人、コンサートやライブハウスのオーディエンスの皆様もチケットや入場料から使用料は支払っているのです。カフェ・レストラン・酒場等ほとんどの外食店、美容院、結婚式場、ショールーム、ショッピングモール、私立学校等おおよそ人の集まる場所で使われるBGMには全て使用料がかかります。

例えば、ヘビメタ好きな美容師が経営するヘアーサロン。オーナーはメタリカやジューダス、ラウドネスやアースシェイカーをお店で流し「イエィ!今日もガンガンにカットするぜい!」とシャウトします。お客さんもそんなロックな雰囲気が好きな人が来て「俺のカットの時はAC/DCで頼む!」なんて盛り上がる。
ある日「使用料払ってください。何々平米で席数が何々で営業日数が何々なので…。」
「普段かけてるCDは何枚ですか? あーパソコンのiTunes使ってるんですね、あぁ数千曲入ってますね…それだと……。」となる訳です。

その使用料は電気代や水道代と同じくランニングコストとして価格に上乗せされるので、つまりは利用者、一般のお客さんが支払っている訳です。

有料のコンサートやライブ等でも使用料の支払い請求が有ります。たとえそのアーティスト自身のオリジナルであったとしてもメジャーで流通している曲であれば使用料を支払わなくてはいけません。

そこで問題が発生するのは集められた使用料は何処へ行くのか?ということです。
サンプリング調査と言う曖昧な、極めて曖昧な方法で誰それにこれくらい、何処そこへこんなもんかな…ってな具合に適当に、極めて適当に割り振るのです。

決してバカ売れした訳では無いけれど数々の競争に打ち勝ちメジャーデビューを果たしアルバムを発表するも数年で立ち行かなくなり解散。しかしミュージシャンとして活動を続けている…。
その彼の曲をコアなファンが年に数回ライブで使用してもサンプリング調査によってピックアップされる確率は極めて少ない。しかし苦しくともミュージシャン/アーティストとして活動を続ける彼にとってはその僅か数円の使用料の分配がどれだけの勇気・制作動機に変換される種の物かお判りだろうか?

メジャー契約も無く所属事務所も離れ、丸裸の個人になってもソングライターとしての権利は個人に帰属する。

それを失ってしまったら…音楽製作の現場がどうなってしまうのか。

つづく。